明日たとえ国亡ぶとも、今、病める者のために泣けるか(2008年3月)

03/01/2008
by Elders International

アメリカは安全か。

今回のタイトルは長い。長いけれどどうしてもこう長くしないと私の気持が 収まらないので心に浮んだ侭のタイトルにした。こんなことに思いを巡らして いる間にも世の年老いた孤独な老人が毎日一体何人死んで行くことかを考えると耐えられない。耐えられないがアメリカでも健康保険にも加入できない貧しい老人が毎日激増している。まだ保険があった頃、ガン検診で肝臓癌と診断されたのだったが、勤め先の工場が倒産したため保険も無くなり御腹に癌を抱えたままでいる初老の男。一方では連日国民皆保険制度を叫ぶ大統領候補。もう既に 4千人の米兵が死に、生き残っても幾万もの帰還兵は心身に深い傷を負い立ち 直りが危ぶまれる。イラク人はもう15万人が死んでいる。

先日、マイケル・ショワーという米国CIAで20年間もテロ対策を担当して退職した人の著書「帝国の傲慢-なぜ西側は失敗したか-」を読んで愕然とした。
今はもう通説のようになって誰も驚かなくなってしまった「9・11テロは 自作自演だった」というヤラセ説が流布するのも当然だと思える程のアメリカの傲慢を克明に画いている。その主題とするものは「アメリカがイスラエルの 庇護者として果てしない血と富の代償に耐え続けることがアメリカの国益 なのか」ということだ。つまりアメリカがイスラエル政策を変えない限り イスラムとの戦争は終らないと訴えているのだ。しかし、街では今日も「派遣兵士をサポートしよう」というリボンを貼った車が走る。6年間に及ぶ戦争に疲弊して為政者たちが笛を吹いても人は踊らなくなった。大衆は夢のような持ち家に住んではみたが実を結ぶことのない一夜の徒花となって路上へ追われて行く身となった。知らされていないとはいえ世界の通貨の中の1ドルのインデックスはもう既に80セントの値打ちしかなくなっている。だから石油高騰となって経済は崩落し、全身に癌細胞のように病巣は転移したのだ。しかも、いつ終るとも わからない資本主義の、今日のような未曾有の混乱は、元はといえば国民には 金を貸さずアメリカのファンドや金融機関には殆んど無利子に近い金利で、 しかも無制限に金を貸し続けた小泉、竹中の日本政府が原因を作ったということを知るべきだ。だからアメリカ発の危機ではなく、日本がその原因を作り続けてきたのだ。

日本は安全か。

今から丁度一年前の2007年3月の、このヘルシートークは「老人を粗末にする国は栄えない」-5年後に日本はあるのだろうか。―というタイトルで書いた。ご記憶のかたもいらっしゃると思う。今もその考えに変りはないし、5年が4年になっただけのことだ。為政者のウソ、奸計と悪辣な役人、ますます格差社会へ向う貧困国家に明日はあるのだろうか、というものだった。そして、今日もまた呆れ果てるほど使命感を捨て、見苦しいほどのほんのわずかな利益のために村や町や地方の工場や人々を捨てて中国のギョーザ工場に生産拠点を変えてしまった日本の企業は地方の下請け企業を捨てて、中国の町工場に発注先を変更しただけで「改革」などと得意顔をしているだけではないか。特に「消費者の味方」のような仮面を被り、コープなどというブランドを身にまとい、「毒入り餃子」を食わせた生協コープは許せない。ほんとうに消費者の味方ならば、餃子作りの ような単純な作業こそ日本の田舎の老人を訓練して組織化し、地方を救おう という発想がなぜ生れないのか。1個の餃子がたとえ3円高くなったとしても 消費者はサポートするのだ。今こそ消費者は「偽善企業」を追放しなければなるまい。金、金、金とただただわずかな金儲けに走った生協コープを許してはならないのだ。NHKの「ワーキングプァー」という報道番組については以前にも書いたことがあった。働けど働けど貧しい人々がじわじわと増えている現実。大企業に捨てられた地方の工場。失業者が溢れて多くの家族が町を捨てて移転してしまってシャッターの降りた商店街。わずかな生活保護費で暮らす独り者の老婦人。「元気でやってるの?」といつも声を掛けてくれていた可愛い女の子が「結婚 するから結婚式に出席してね」と招待状が来たがお祝いに包む2万円がなくて 止むなく「体調が悪いから」と嘘をついて欠席の返事を書いた。貧乏というのはこんなに辛いことだったのかとつくづく悲しかった、という。貧乏という病ほど苦しいものはない。この老婦人に最近生活保護費支給額の切り下げを知らせる 手紙が届いたという。食事は毎日2回のご飯と大根と豆腐の味噌汁だけ、 これ以上は節約できないので、毎晩たった一つの楽しみにしていていたお風呂を5日に1回にすることにしたという。今度は見ていた私が泣いてしまったの だった。NHKの「ワーキングプァー」という報道番組はドキュメンタリーの 優秀賞に輝き、同名の書物も出版され、私も早速買い求め、読んでいる。

サプリメントは安全か。

生協とは生活者のための利益と安全を守る協同組合というものだが、彼等が一片の利益のために「安ければよい」ということに夢中になって150種類もの冷凍 食品を中国製に切り替えて零細企業を捨てたことは許されるのだろうか。こんなものは協同組合でもなんでもない。何も中国産がすべて悪いというのではない。アメリカだって皆さんお馴染みのあの大型ディスカウント店“C”のサプリメント類は100%中国産だ。問題は生産と原料の品質管理に誰も派遣せずすべて おまかせだったことだ。これではどんな原料を使っているのかわからないでは ないか。そして、ますます分からないのは事件の真相である。中国と日本が接近することを最も嫌うのは誰か。この大きな手が潜んだ事件かも知れないからだ。今回の事件で中国の或るハーブ(薬草メーカー)専門家が語ったことを思い 出した。「どうして日本の有数の漢方製薬会社は効き目もない3級品の原料 ばかりを仕入れるのだろうか」と。アメリカのサプリメントだけではないのだ。考えてみれば日本中が大騒ぎしたHIVエイズウィルス事件も、今回の薬害肝炎 訴訟も、毒入り餃子事件も他人事のような顔をして責任逃れに始終している役人や政治家が追及されなければならないし、「フィブリノゲン」などという薬品のラベルを読んでその効果を鵜呑みにした医師や病院の見識を疑いたくなる。彼等に騙された薬害肝炎訴訟の原告団の女性たちこそ政治家になって欲しいほどの実に立派な人たちばかりだった。文字通り生命をはって狡猾な厚生省の役人と グルになっている製薬会社を相手に勝訴をかちとったことは歴史的な出来事 だった。明日の日本はわからない。しかし、今は心からその労をねぎらいたいと皆んながそう思っているに違いない。

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