「世の中の誰もがあなたの健康を心配していると思いこんでいる人が多いが、それはとんでもない間違いだ。ほんとうはあなたのことなど誰も何とも思っちゃあいない。」
今回も、前回と同じ切り出しで始めたい。
大体、あなたが他人を思いやらないのだから、他人があなたのことを心配してくれる筈もない。
年をとって健康が心配になり急にジョギングなどを始める人がいっぱいいる。
わざわざ日本からやってきてまでホノルルマラソン完走の証明を手に入れるために、コースを誤魔化して途中からうまく帰路の方にもぐり込んで「走った、走った」と言っていた人物を私は知っている。聞けば田舎の名士夫人だという。
日本に帰ればこんな人に限ってホノルルマラソン完走を自慢して歩くのだろう。
日本の川柳にこんな一句があった。
「ウォーキング、なぜか近道選んでる」。
しかし、健康を手に入れるための近道はない。
マラソンは誤魔化せたとしても健康の証明は手に入らないのだ。私のように20年前にタバコを辞めたからといってもう肺ガンにならない証明書は貰えない。
それどころかガンの因子はいつまでも生きていて、いつムクムクと起き出してこないとも限らない。時効はないのだ。
大体、日本人はグループに入ってツアーガイドが付かなければ旅行もできない。
だから健康もツアーガイドのような人がいないとどうしていいのかわからない。しかし、健康にツアーガイドはいない。誰もあなたの健康など心配してくれはしないのだ。心配してもくれない人に相談するから間違いが生れる。自分で勉強するしかないのだ。
よーく考えてご覧なさい。日本では日本の政府が国民健康保険などという「国民」の名をかたって保険システムをやっているし、アメリカではいろんな民間会社が非営利法人として税金も払わずに保険ビジネスを行ない大儲けしている。
しかし、日本でもアメリカでも約30%の老人や貧困者は保険料が払えないから医師の診療も受けられない。医師の処方が貰えないから薬も買えない。これが
「国民健康保険」である筈がない。日本にも、アメリカにもガンなどの難病に苦しんでいても医療が受けられない30%の老人や貧困層がいるというのに。
日本の公務員はこんな保険料を勝手に使って飲み食いし、温泉ホテルまで建てて天下り役人に便宜を計っているし、ここハワイでも毎年のように保険料を値上げして税金も払わず、代表者は年俸8千万円も受取っている。日本の大手保険会社に至っては「保険というのは金を集める仕事」とうそぶいて、契約者が死んでも、怪我をしても、火災に遭っても、自動車事故に遭っても保険金を払わないというのだから信じられない。それでも何ら罰せられず、例の如くハゲ頭の社長や役員が揃って頭を下げておしまいなのだ。政府の直轄である厚生年金や国民健康保険も中味は民間と変らない。製薬会社やそれらの薬を売る病院が「取りはぐれのないように100%代金回収を保障している制度」が保険なのであって、国民の健康を守るのが目的ではないことを知らねばならない。だからこそ貧困者や老人は保険には入れてもらえないのだ。
風邪か、アレルギーか、咳が止まらず医師を訪ねると胸部のX線レントゲンを撮るように指示される。どうもこれはマニュアルの第一段階らしい。レントゲン写真などで何もわかるわけもなく、フィルムを見て「何か、はっきりしない陰がある」とか、何とか言って今度は「CTスキャン(断層撮影)を撮ってください、CTスキャンではっきりわかるでしょう」と。「何か知らない陰がある」というのが気になって止むを得ずCTスキャンの撮影をする。もうX線とCTスキャンだけでも実質的には放射能を浴びるのと同じような、相当なダメージを受けるから、一説によればこれだけで寿命が一年半は縮まるといわれる程だ。
そして何枚かのCTスキャンのフィルムができてくると、フィルムに何か意味ありげな付箋がついていて、「何かわからない陰がある。だからバイオプシー(生体細胞検査)をした方がよい」とある。これを見て医師は「バイオプシーは細い管を口から肺まで入れて肺の陰の部分の細胞をほんの少し採ってみるだけですよ、アポイントをとりますから何日がよいでしょうか」とくる。だんだん深みに引き込まれていくこうしたやり方は日本もアメリカも共通したものだ。次々と検査料はかさみ、身体も検査だけでガタガタになり、ほんとうに肺ガンになってしまいそうだ。健康にツアーガイドはいない。日常の勉強を怠らず、自分で考え、自分で決断する必要はここから始まる。賢明な人はこんな手に決して乗せられないことだ。
こうした多くの体験を私は「病院にかからない健康法」という著書にまとめたのだ。昔とちがって、今日のアメリカには驚くほど優れたオータナティブ・メディスンがある。私は、私のM10-8 D.Pパウダーでこの胸部の陰を消去させたし、成功した多くの人の体験もいただいた。これから20年後を考えればオータナティブ・メディスンやサプリメントこそが、治療の主流にとって変る日が来る。
その証拠に、全米に今日の何とヘルスフーズストアの増えたことか。食事の改善と工夫によって正しい栄養をとり入れ、心臓発作も、ガンも半減した。三十年前には考えられなかったことだ。
しかし、これは決して医学の貢献ではないし、健康保険のせいでもない。多くの慢性の病苦と闘った心ある人たちが、食事と栄養によって病いを克服しようと徹底的に調べ上げた成果だ。ぜんそくにも、動脈硬化にも、アルツハイマーにも、骨粗しょう症の克服にも何と栄養の果した役割は大きかったことか。今はアメリカ人の40〜50%は毎日何らかのサプリメントをとっているし、アメリカの医師の100人中、60人がコレステロール、心臓発作、関節炎、アルツハイマー、ガンの予防のために毎日サプリメントをとっているという統計もある。最近まで馬鹿にしていて見向きもしなかった全米大学の医学部の3校のうち2校が時代の流れに取り残されまいと今やサプリメントやオータナティブ・メディスンの講座を開設したし、1998年には米国の議会までもがサプリメントなどの代替医療センター設立のために5千万ドルを支出したのである。
しかし、既得権益にしがみつく政治や行政は国民の生命などは屁とも思ってはいない。現に、国民の30パーセントに及ぶ貧困層は無残にも見捨てられているではないか。かつて、国策に乗せられて中国大陸に渡った大量の日本人開拓者に対して敗戦後、中国残留孤児という悲惨な運命を背負わせたのも日本政府だった。また、当時どんな法や規制や命令に縛られようとも、人の生命の尊厳のために、抑えようにも抑えきれない、ほとばしる魂の声に従って6千名のユダヤ難民のために渡航ビザを発給した杉原千畝を平然と解雇した外務省という恥知らずは、今も公務員という姿に名を変えただけで生き続けている。
うっかりすればいつの世も国家や権力は、こうして人間の運命を奪い去るのだ。
それ故、常に私自身に問いかけるのだ。
人の健やかなるをよろこび、「病める者のために泣け」と。