ーこれでもあなたは病院にかかりますか-
介護保険料の値上げ、高齢者の医療費負担率の引き上げ、リハビリ期間の打ち切り…日本の医療行政はいよいよ行き詰まっています。しかし、医療行政の質の悪化が進行すればするほど医療そのものの劣化も目を覆うほどの惨状を呈してきました。
テレビでも殆んど連日のように医療ミスを謝罪する病院長や担当医たちが並んでハゲ頭を下げている姿が報道される有様です。
今年の8月、分娩を19病院から次々と拒否され、6時間後ようやく60キロ離れた病院に収容された妊婦は、男子を出産したものの本人は一週間後死亡するという事件が奈良県で起きました。奈良県警は捜査に入りました。
京都新聞は「医師不足、地域医療が壊れそうだ」と社説に書いていますが、しかし、医師不足が医療を壊わすのではなく奸計と悪辣の行政のせいなのです。
壊れそうになっているのはなにも地域医療だけではないのです。2006年10月16日、東京医科大学病院はガン治療で入院中の4人の患者が院内感染による「多剤性緑膿菌」で死亡した、と発表して問題となりました。ガン治療のために入院中の患者がガンでは死なずに院内感染のために死亡したショッキングな事件でした。ところが、記者会見した病院長は「4人のガン患者はもともと助かる見込みがなかった」と語っているのです。あなたはこれでも病院にかかりますか?
また社会保険病院での腎臓臓器ゴミ捨て事件に至っては一年も二年もドナーからの腎臓提供を待っている移植希望患者をバカにするにもほどがあるといえる、医療機関の実態が見える事件でした。
笑ってしまうのは、この事件に関して問われた厚生労働省の役人が「今後一層指導、監督を強化したい」とのコメントを述べたというのです。一体何を指導するのか。一体何を監督するのか。それなら、去る10月8日付けのたった一日のインターネットニュースに報じられた、恐るべき医療ミスの連発に対してはどんな指導をするつもりなのか。これはもう指導や監督の問題ではなく悪辣きわまる政府の医療行政の根本が時代の潮流から乖離(かいり)してしまっているからなのです。
・富山赤十字病院のミス発覚、血糖値検査怠り男性死亡。
・富山赤十字病院、動脈傷つけ男性死亡。その緊急手術も遅れる。
・富山赤十字病院、相次ぐ医療ミス陳謝。
・同じく、富山、高カロリー輸液投与で患者死亡。
・旧京都病院、手術ミスで2,300万円支払。
・八戸市民病院、医療ミス、病院側が認める。
・福島、胆のう摘出手術で患者死亡、陳謝。
・長野赤十字病院、医療ミス訴訟、病院側4,400万円支払。
・防衛医大病院の医療ミス、主治医と指導医不起訴。
・立川災害医療センター手術ミス、2審で和解へ。
これはたった一日のインターネットニュースの記事なのです。あなたはこれでも病院にかかりますか?
医療の先進国アメリカでも事情はまったく同じだといえるのです。06年9月号の先進医学ジャーナルJAMA誌は、メイヨークリニック医学部のタイト・シャナフェルト博士の研究リポートを掲載しています。それによれば米国では全米研修医の3分の1が少なくとも1回は大きな医療ミスを犯している、というのです。
彼の1999年の調査で米国ではこうした大きな医療ミスによって年間10万人以上の患者が死亡しているというのです。
この超有名病院であるメイヨークリニックだけの研修医184人を研修開始から3ヵ年間追跡した結果、研修医の20%が1回、6%が2回、8%が3回、計34%が期間中にミスを犯した、としており、4半期ごとに平均14.7%が過去3ヶ月以内にミスを犯したと報告したのです。
こうした医療現場の荒廃には研修医の80%が時間外勤務を強いられる環境条件の悪化も一因となっているかも知れません。医療ミスを犯してしまうことは研修医自身にとっても大きなストレスとなって長期の精神的苦痛に苛まれると報告しています。ある統計によれば今やアメリカ医師の平均寿命は58才ともいわれ、決して憧れの職業ではなくなっているのです。
結果、彼等自身がいつ倒れるかも知れないという恐怖は、自己防衛手段となって、全米医師10人中6人が毎日キチッと栄養補助サプリメントをとり続けているというアンケート結果があります。
米ボトムラインヘルス誌2006年春季号は、「彼等は患者には知られないように、コレステロールの低下、心臓発作の予防、関節炎対策、アルツハイマーの予防、ガンの予防のためのサプリメントをとっている」と報じています。
しかし、公式には米国のFDAでも、日本の厚労省でもサプリメントの効用は一切認めていないのです。彼等の奸計はサプリメントの製造権とその販路を製薬業界の手に渡したいのです。業界と行政は、既得権の確保という一点で完全に一つ穴のムジナです。
今年、日本の厚労省は全国の医師を対象にサプリメントの有効性に関する全国調査を行ない、その結果として「サプリメントが健康を促進するという何らの効果も認められなかった」と発表したのです。
厚労省は彼等に都合のいいような有形、無形の圧力をもって、役所の都合のいいように解答を誘導したのは明らかです。そんな状況下で、医師は保険の対象項目にも入っていないサプリメントを日常の医療にとり入れたい、などと言えるわけもありません。
しかし、今はインターネット時代です。国際的規模で情報の飛び交う世界で、医療だけが例外として取扱われるわけもなく、日本でもANTIAGING(老化と若返りの医療)、サプリメント医療(栄養薬理学にもとずく医療)、メタボリック予防医療(生活習慣病予防)などなど「保険外医療」即ち、サプリメントを多用する医療の需要が燎原の火のように拡がっています。